BigQueryの「クエリを保存」と「ビューを保存」の違いについて説明します。どちらもSQLクエリを保存するという点では共通していますが、その用途や動作に違いがあります。大きく分けると以下の3つのポイントで違いを理解できます。
- 実行タイミング: クエリを保存した場合、保存されるのはSQL文そのものです。実行するには保存したクエリを開いて改めて実行ボタンを押す必要があります。一方、ビューを保存した場合、ビューは仮想テーブルとしてBigQueryに保存されます。そのため、ビューを参照するクエリを実行すると、その都度ビューの定義に基づいてデータが取得されます。
- データの更新: 保存したクエリは静的なSQL文であるため、クエリを実行するたびに最新のデータが取得されます。ビューも同様に、ビューを参照するたびに最新のデータに基づいて結果が生成されます。つまり、どちらもデータ自体は保存されず、常に最新のデータが反映されます。ただし、ビューの場合は、マテリアライズドビューという機能を使うことで、ビューの結果をキャッシュしてパフォーマンスを向上させることも可能です。マテリアライズドビューについては後述します。
- 用途の違い: クエリを保存するのは、特定の分析を繰り返し行う場合や、複雑なクエリを保存しておきたい場合に便利です。一方、ビューは、複雑なクエリを簡略化したり、特定の視点でデータを表現したりする場合に役立ちます。例えば、巨大なテーブルの一部だけを抽出したり、複数のテーブルを結合した結果を仮想テーブルとして扱うことで、クエリを簡潔に記述することができます。
以下にそれぞれのユースケースを例示します。
- クエリを保存する場合: 過去の特定の期間の売上データを集計するクエリを保存しておき、定期的に実行してレポートを作成する。
- ビューを保存する場合: 複数のテーブルを結合して顧客の属性情報と購買履歴をまとめたビューを作成し、様々な分析に活用する。
マテリアライズドビューについて
前述の通り、ビューはクエリ実行時に都度計算されます。しかし、ビューの定義が複雑であったり、基になるテーブルのデータ量が膨大であったりする場合、パフォーマンスが低下する可能性があります。このような場合、マテリアライズドビューを使用することで、ビューの結果を事前に計算してキャッシュしておくことができます。これにより、クエリの実行速度を大幅に向上させることが可能です。ただし、マテリアライズドビューはデータの更新に合わせて定期的に再計算されるため、リアルタイム性が必要な場合は注意が必要です。
最後に、それぞれの違いを表形式でまとめます。
機能 | クエリを保存 | ビューを保存 |
---|---|---|
実行タイミング | 手動で実行 | 参照時に自動実行 |
データの更新 | 最新データ | 最新データ(マテリアライズドビューはキャッシュ) |
用途 | 複雑なクエリの保存、繰り返し実行 | クエリの簡略化、特定のデータの表現 |
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